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後半戦も期待大! プレミアリーグのU-23注目株

2019.01.25


James MADDISON
ジェイムズ・マディソン

1996.11.23(22歳)175cm / 73kg
MF10|レスター
イングランド代表

一躍プレミア屈指のチャンスメイカーに

若手が大豊作のイングランドで今後もプレミア勢が積極的に国内の才能に目を向けるとしたら、それはマディソンのおかげだろう。2部のノリッチで異彩を放っていたとはいえ、2000万ポンドは高過ぎる。レスターが支払った額に誰もがそう思った。だが、蓋を開けてみれば7試合で3得点2アシストと好発進。10月にはA代表に初招集された。パスの出し手にも受け手にもなれる攻撃的MFは、プレミア第23節時点で被ファウル数リーグ6位。敵チームにとって“要注意人物”となっている。最大の武器はキック技術だ。9月のハダーズフィールド戦では助走の取り方は「ベッカムを真似ている」というFKで意外性あるチップキックを見せた他、直接FKまで叩き込んだ。ノリッチ時代にレンタル移籍したスコットランドで「6万人のハンプデンパークを18歳で経験した」ので、大舞台にも臆さない。

Mattéo GUENDOUZI
マテオ・ゲンドゥージ

1999.4.14(19歳)185cm / 68kg
MF29|アーセナル
U-20フランス代表

“頭”から快調、希望をありがとう

ムッシュの退任で感傷的な夏を過ごしたファンに、希望を与えたのは19歳のフランス人だった。ユース年代の時にパリSGから放出されたゲンドゥージは、フランス2部のロリアンで才能を開花させ、昨夏ノースロンドンにやってきた。ロリアンの会長が「どの年代でも数試合でチームのリーダーに君臨した」と絶賛する新鋭は、アーセナルでも中盤の底ですぐにチームを動かし始めた。常にボールを要求し、無謀にさえ思えるほどの大胆なパスを繰り出す。開幕スタメンに入ると、8月のクラブ月間MVPを受賞。10月のクリスタルパレス戦では終了間際に敵の速攻をファウルで止める大人な一面まで見せた。パトリック・ビエラと比較されることもあるが、より“ボックス・トゥ・ボックス”に近い。アーセナルが本当にアーロン・ラムジーを手放すのなら、その答えは彼にあるはず。

Ryan SESSEGNON
ライアン・セセニョン

2000.5.18(18歳)178cm / 71kg
MF3|フルアム
U-21イングランド代表

昨季2部で個人賞5冠の怪童は謙虚

昨シーズン、当時2部とはいえフルアムで公式戦全52試合に出場したスピードスター。リーグ戦15ゴール6アシストでチームのプレミア昇格に貢献し、2部の年間MVPなど驚異の個人賞5冠を達成する。さらにトップリーグ以外の選手として初めてPFA(選手協会)の若手MVPにノミネートされた。それを17歳(日本でいえば高校2年生)でやってのけたのだから本当に末恐ろしい。左SBやウイングを主戦場にする早熟な怪物は、快足を生かした縦への突破が最大の特長だ。だが、それ以上に「謙虚さに感心させられる」と、U-21イングランド代表監督もさらなる飛躍に太鼓判を押す。昨年夏のW杯では、同世代のフィル・フォデンやメイソン・マウントとともに代表のキットサプライヤーであるNIKEからロシアに招待されたほど。ちなみに、双子のスティーブンもフルアム所属で、U-19代表の右SBだ。

Phil FODEN
フィル・フォデン

2000.5.28(18歳)171cm / 70kg
MF47|マンチェスター・シティ
U-21イングランド代表

ペップが惚れ込む英国産イニエスタ

“ロンフォードのペレ”には皮肉が込められていたが、“ストックポートのイニエスタ”にはそういった意味合いはまったくない。フォデンは、正反対のペレを愛称につけられたレイ・パーラー(元アーセナル)とは違い、純粋にバルセロナの英雄と比較されているのだ。少なくともマンチェスター・シティのファンは、生え抜きMFにそう期待している。一昨年のU-17W杯で大会MVPに輝いて一躍イングランドの「希望の星」となったフォデンは、ダビド・シルバやリオネル・メッシという左利きの頂点をお手本しており、常に左足で触れる場所にボールを置く。だから一瞬のひらめきが実を結ぶのだ。まだまだ出場機会は少ないが、ジョセップ・グアルディオラも「夏に我われが攻撃的MFを獲得しなかった理由は彼だ」と絶賛しており、「10年後も彼がシティでプレーするのが夢」と一流選手に育て上げることを誓っている。

Aaron WAN BISSAKA
アーロン・ワン・ビサカ

1997.11.26(21歳)183cm / 72kg
DF29|クリスタルパレス
U-21イングランド代表

抜かれても追いつく元FWの右SB

今季の開幕戦、上で紹介したライアン・セセニョンの待望のプレミアデビューをほろ苦い思い出にさせたのは、対戦相手の右SBだった。11歳からクリスタルパレスに所属するワン・ビサカは、昨年2月にデビューしたばかり。彼をトッテナム戦やマンチェスター・ユナイテッド戦でいきなり大抜擢したロイ・ホジソン監督は「溺れる可能性もあったが、すぐに泳ぎ方を覚えたね」と笑顔で振り返る。子供の頃はFWやウインガーだったというワン・ビサカ。ただ、1軍との練習試合でSBを任された時、プレミア屈指のドリブラーであるウィルフレッド・ザハを完封し、右SBにコンバートされた。類稀なる身体能力で、抜かれたと思っても追いつき、元FWとは思えない鋭いタックルで止める。当然、攻撃センスも持ち合わせる。コンゴ系英国人のためDRコンゴのユース代表経験もあるが、現在はイングランドU-21代表に定着している。

Harvey BARNES
ハービー・バーンズ

1997.12.9(21歳)174cm / 66kg
MF19|レスター ※1月にウェストブロミッチ(2部)から復帰
U-21イングランド代表

2部修行組の一番手、早期復帰を勝ち取る

今季も多くの若手が2部リーグへ武者修行に出ている。代表的なのは、フランク・ランパード監督が率いるダービーで経験を積むウェールズ代表のリバプールMFハリー・ウィルソン(21歳)と10月にイングランド代表招集を受けたチェルシーMFマウント(19歳)。だが前半戦、彼らに勝るとも劣らないプレーを見せたのが、レスターからウェストブロミッチにレンタルされていたバーンズだ。トップ下の定位置を任され、26試合で9ゴール。さらに一昨年のトゥーロン国際大会では得点王に輝いており、バーンリーなどで活躍した元FWの父親のDNAを存分に発揮している。とりわけ魅力なのが、ボックス内に侵入していくダイナミックな仕掛けとシュートレンジの広さ。その活躍により、クロード・ピュエル監督が以前に「非常事態が起きれば」と示唆していたレスターへの早期復帰が実現。プレミアの舞台での爆発なるか、注目だ。

Photos: Getty Images

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田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。

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