去る8月2日、小社刊『ことの次第②』の刊行を記念して、著者・倉敷保雄さんのスペシャルトーク&サイン会を紀伊國屋書店新宿本店にて開催しました。
ゲストに本書の特別対談にもご登場いただいたベン・メイブリーさんと亘崇詞さんをお招きして、人気サッカー番組『Foot!』でも共演して息ピッタリ、“MSN”、“BBC”も顔負けの強力3トップによる90分間一発勝負がキックオフ。
勇敢に前へ出るプレッシング戦術のごとく、開始直後からエンジン全開で飛び出す“クラッキー”。エンドロールのクレジットに名前が載っていたことからファンの間でも話題となった映画「シン・ゴジラ」に始まり、お次はこちらも大流行中の「ポケモンGO」へ、いつもと変わらぬ変幻自在のトークでお客さんを「倉敷ワールド」へと引き込んでいきます。
もちろん、フットボールにまつわるお話も盛りだくさん。ポルトガル優勝で幕を閉じたEURO2016、コパ・アメリカでまたも涙を呑んだアルゼンチン代表のメッシは大丈夫なのか、“ビッグサム”に変わってどうなるイングランド、亘さんによる中国サッカー事情解説などなどいろいろなテーマについてお三方が語り尽くし、息もつかせぬハイテンポなゲームはあっという間に終了の笛を迎えたのでした。
さてさて、そんなトークイベント内でさわりだけ紹介したのですが、力作のためすべてを紹介することができなかった『ことの次第②』表紙イラストに隠されている謎解きのタネ明かし。内巻敦子さんから届いたメッセージを、次のページで全編公開します! 真犯人はもちろん、すべての登場人物について一通り触れていますのでどれが誰かも答え合わせしながらお楽しみあれ~。
ご挨拶&タネ明かし
みなさまこんにちは。
『ことの次第②』をお手にとって頂き、ありがとうございます。
7年と9カ月続いた連載の集大成として、私も表紙イラストには力が入りました。
その表紙イラストの謎解きについて、私から補足させていただきます。
まず、帯をつけた状態では答えは隠れています。
最初に外さずに見て、そのあと左端からだんだん右へと帯を開いて行くとスムーズです。
ある男が突然襲われて緑のグラウンドに倒れ、幸いにも軽いケガですんだが、
この犯人を探し当てるために、名探偵や刑事たちが集結するという構図です。
左端から、
この事件の前にも被害者がいたと分かり、
ジェラード巡査に事情を聞かれるイバノビッチ。
さらに犯人は、オランダ警察のファンハール警部にも追われているらしい。
ムッシュ・ベンゲルの屋敷では、たくさんの目撃者がいるようだ。
フラミニ君・エジル君、サンチェス君、トーレス君、マルセロ嬢。
また、使用人たちも何かを知っているらしい。
執事のメルテザッカー、コックのオルティゴサ、メイドのダビルイス、庭師のロッベン。
屋敷の2階からウォルコット君とカソルラ君が見つけたのは、
どさくさに紛れて逃走するひげ面の泥棒ディエゴコスタだった。
名探偵クラッキー・ホームズを筆頭に、刑事コロンボ風モウリーニョ、
名探偵ポワロとヘイスティングス大尉風のベニテスとクラウチ、こども探偵アルシャビン、金田一マラドーナ、探偵物語の工藤ちゃん風フェライニなどが、現場にかけつける。
たくさんの遺留品を調べあげる、すご腕の鑑識のビエルサ。
検視官のエヴァは、被害者キエッリーニに応急処置をほどこす。
犯人の下足痕(げそこん)、ボールについた手形、スパイク、散らばったアルファベットのカード、マテ茶のポット、くつ下、歯形のついたりんごなど、証拠品はたくさん見つかる。
下足痕を追うペップ&エンリケ刑事に、何か思い当たるメッシとネイマール。
ミス・マープル風のペジェグリーニとラニエリおばあちゃんに、
目撃者の子どもたち、アグエロ、ラーム、チチャリートが、犯人は教会の方へ行ったと証言。
下足痕を追ってシメオネ&ブルゴス刑事が教会に踏み込むと、
犯人はすでに逃走していて、モイーズがファーガソン神父に懺悔をしていた。
クリスティアーノ&ルカ子のカップルにからんで、ルーニー巡査に誤認逮捕されるバロテッリ。
そしてアンチェロッティ警部は、木のしげみから新たな証拠品を見つけたようだ。
現場から持ち去られたとみられるこのカードには、犯人に結びつく青文字の「S」が書かれていた。
現場に残された2枚の青文字のカードとの関連は? 被害者キエッリーニが指差した意味は?
と、そこへ、食料をかごに入れて、何やらこそこそと羊小屋へ向かうロナウジーニョ・ガウ子。
羊飼いのマタとイニエスタも小屋へ行くと、羊たちが閉め出されて困っていた。
ジョン・テリー・バウアーが踏み込もうとする小屋の中には、犯人が潜伏していた…。
……と、長くなりましたが、このようなタネ明かしとなりますので、ゆっくりご覧いただけたらうれしいです。
内巻敦子