今年に入りジョゼ・モウリーニョと袂を分かち、ダニエレ・デ・ロッシの下で復調を遂げたローマ。クラブOBでもある新指揮官はいかな戦術をチームに授けているのか。らいかーると氏が分析する。
その姿は、シャビ・アロンソのたどった道を丹念に歩いているようにすら見えた。昨シーズンに残留争いのチームを蘇らせ、今シーズンはブンデスリーガを独走して欧州と国内で無敗を続けているレバークーゼン。CLに出場していないがゆえに欧州最強であることを証明できないことが、逆に彼らの強さを否定できない雰囲気になっていることも見逃せないめぐり合わせだろう。
ダニエレ・デ・ロッシはモウリーニョからチームを引き継ぎ、国内ではCL圏内まであと一歩に迫り、欧州の舞台ではそんなレバークーゼンへ挑戦している真っ最中となっている。
デ・ロッシのチームの特徴は、ボール保持のスタイルにある。シーズンの途中での監督就任という事情から、自分の色をゆっくりと出していくのかと思いきや、突如としてボール保持を中心とした論理的なスタイルでチームを一新したことは、デ・ロッシの手腕の確かさを証明しているのではないだろうか。そんなデ・ロッシの志向するスタイルについて、今回は考えていきたい。
11対10
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らいかーると
昭和生まれ平成育ちの浦和出身。サッカー戦術分析ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』の主宰で、そのユニークな語り口から指導者にもかかわらず『footballista』や『フットボール批評』など様々な媒体で記事を寄稿するようになった人気ブロガー。書くことは非常に勉強になるので、「他の監督やコーチも参加してくれないかな」と心のどこかで願っている。好きなバンドは、マンチェスター出身のNew Order。 著書に『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』(小学館)。