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驚異の18歳・市原吏音。A代表にも帯同した大宮の至宝の「可愛がられ体質」

2024.03.19

1月のアジアカップではA代表にもトレーニングパートナーとして帯同した18歳が、プロとして臨むシーズンでその可能性を改めて示している。昨季途中にクラブ史上最年少デビューから一気にスタメン定着まで果たした大宮アルディージャのDF市原吏音(りおん)は今季も不動の主軸としてプレーを続けている。次代を担うタレントが持つ独特の資質、池田タツ記者が読み解く。

愛されキャラの初ゴール

 3月16日に行われたJ3第4節、大宮アルディージャと奈良クラブの一戦を大きく動かしたのは、20分に生まれた18歳の逸材によるゴールだった。

 大宮DF市原吏音によるプロ初ゴールは、セットプレーからの豪快なヘディングシュート。アカデミーから育ってきた未来の日本代表による歴史的瞬間は、ホームゴール裏のサポーターの目の前で起こり、歓喜の爆発となった。

 デビューイヤーとなった昨季はゴールを取れていなかったが、今季は長澤徹監督がセットプレーにも注力。その結果が現れた形といってもいいだろう。

 「(茂木)力也さんがブロックしてくれて、(泉)柊椰くんからめっちゃ良いボールが来たので、“あるある”な言葉ですけど、自分は本当に触るだけだった。ゴールの位置は確認できていたので、ボールが来れば決められる感覚もあった。本当に理想どおりのボールが来て、力也さんが前で潰れてくれたおかげだと思う」(市原)

 試合後、屈託のない笑顔で自身のゴールをそう振り返る市原は、嬉しさの中にあっても“先輩たちのおかげ”という敬意をしっかり言葉で表現。このあたりが可愛がられるゆえんだろう。

アジア杯帯同の高校生は生粋の大宮っ子

 市原は2023年7月に行われた天皇杯3回戦セレッソ大阪戦でプロデビューを果たすと、直後のJ2第26節から、最終節までスタメンフル出場。今季ここまでのJ3全3試合にもフル出場を続けている。若手で伸びしろのある選手だから起用されているという印象はまるでない。高校生ながら、すでに大宮アルディージャの最終ラインになくてはならない存在となっている。

 市原は大宮流星サッカー少年団から、大宮アルディージャジュニアに加入。U15、U18を経てトップチームへ昇格してきた生粋の大宮っ子だ。U-15年代から年代別代表にも名を連ねており、2024年のアジアカップではトレーニングパートナーとして選出されA代表とともにカタール入りしたことを見ても、日本サッカー協会からの期待も大きい。

 まず目を惹くのは身長185cm77kgの恵まれた体格。18歳ながら外国籍のFWと競り合っても当たり負けしない強さを持っている。空中戦では長身FWを相手にしても、上から叩くようなヘディングで圧倒する場面も珍しくない。

 ビルドアップにも長けており、長短のパスを使い分けるその技術や判断の質の高さは18歳とは思えないほど。30m級のミドルパスも正確に鋭く通す。展開力も高く、遠いサイドへ一発で通すロングパス、前線にいれる楔のパスも正確さとスピードを兼ね備える。また長い距離のパスであっても左右どちらも蹴れるのも大きな武器だ。

市原を含む守備のディテール

 試合後、初ゴールを決めた市原について長澤監督は次のように評している。……

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Profile

池田 タツ

1980年、ニューヨーク生まれ。株式会社スクワッド、株式会社フロムワンを経て2016年に独立する。スポーツの文字コンテンツの編集、ライティング、生放送番組のプロデュース、制作、司会もする。湘南ベルマーレの水谷尚人社長との共著に『たのしめてるか。2016フロントの戦い』がある。

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