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エキスパートvs監督。ブンデスリーガのTVインタビューを巡る対立

2024.04.09

ドイツサッカー誌的フィールド

長く欧州サッカー界の先頭集団に身を置き続けてきたドイツ。その国内で注目のトピックスを、気鋭の現地ジャーナリストがピックアップし独自に背景や争点を論説する。最終回は、TVでの論議それ自体への賛否。

※『フットボリスタ第100号』より掲載。

 2023年11月の初め、1990年代にはドイツ最高の監督との声もあったクリストフ・ダウム元監督についてのドキュメンタリー映画がドイツで公開となった。彼は01年にドイツ代表監督に就任する予定だったのだが、直前に当時バイエルンのマネージャーだったウリ・へーネスが、ダウムがコカイン常用者であることを示唆する発言をしたことで見送りとなってしまった。

 この映画にはダウム、当時バイエルンの監督であったユップ・ハインケス、へーネスの3人がTV番組で口論を交わす場面がある。ダウムが「ハインケスとの会話より、天気図の方が面白い」となじれば、ハインケスが「私の腰の下まで批判するのは許せない」とやり返す。さらにダウムは「バイエルンは傲慢で、腰の位置まで自分たちで決めようとする」と応酬――一進一退の攻防が続いた後、ダウムはへーネスにこう言い放った。

 「あなたと同じ傲慢さに達するには、100歳まで長生きしなければならない」

 この舌戦は、今日ではブンデスリーガの伝説となっている。こういった熱い口論はショーの一部であるが、近年は監督たちにとって耐えがたいものになってきているようだ。

発端はトゥヘルの途中退席

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ディディ・ハマントーマス・トゥヘル

Profile

ダニエル テーベライト

1971年生まれ。大学でドイツ文学とスポーツ報道を学び、10年前からサッカージャーナリストに。『フランクフルター・ルントシャウ』、『ベルリナ・ツァイトゥンク』、『シュピーゲル』などで主に執筆。視点はピッチ内に限らず、サッカーの文化的・社会的・経済的な背景にも及ぶ。サッカー界の影を見ながらも、このスポーツへの情熱は変わらない。

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