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いつもと違うメンバーでも変わらない“森保スタイル”の真意。日本対タイ戦分析

2024.01.03

1月14日に開幕するアジアカップに向けた強化試合として、元日に組まれたタイ代表との一戦代表ウィーク外とあって多くの主力が欠場となったが、日本代表は5-0で勝利し幸先の良い2024年のスタートを切った。森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』の著者らいかーると氏がフレッシュなメンバーで臨んだ中でも変わらなかったチームの核となる方向性や、急造ゆえに苦労した部分にスポットライトを当てつつ分析する。

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 元日に代表戦を行うことを恒例行事にしたいのか、アジアカップに向けて今年だけが特別だったのかは定かではない。今後の恒例行事になる場合はどのような位置づけの試合になるのだろうか?という疑問を抱きながら見守る開催となったというのが正直なところだ。いわゆるA代表マッチデーでもないため、ウィンターブレイクに突入していないクラブからは選手を呼べない状況での試合となった。それでも、元旦に試合を行う慣習を取り戻すことに大義を見出しているのかもしれない。

プレッシングを中心とするトランジションサッカー

 日本のスタメンは新鮮な選手たちであふれていた。いわゆるスタメン組は伊東純也、田中碧くらいだったろう。残りのメンバーはアジアカップに向けた調整の選手もいれば、生き残りをかけたまさに決闘な選手もいた。モチベーションにばらつきがあるといえば失礼になるだろうが、一方で置かれた状況の違いには思いを馳せたくなるような選手がいたことも事実だ。

 最近の日本の恒例行事となっている、キックオフは左サイドに蹴っ飛ばすをこのメンバーでも行うことにこだわりを見出すことはできる。ただし、左サイドでの競り合いで勝てる算段があるわけでもない。マイボールになれば良し、相手ボールになってもプレッシングをかければ良しという割り切りがあるように見える。

 カタールW杯を思い出してみると、ボール保持率とパス成功率の低さが反省点として挙げられていた。クロアチア戦後の選手の談話を見ていても「アフター南アフリカW杯」の雰囲気が漂っていたことは忘れられない。「アフター南アフリカW杯」について簡単に説明すると、撤退守備やボール非保持局面のハードワークが試合の大部分を占め、カウンターで勝機をつかんでいくサッカーではなく、「自分たちのサッカー」で「主導権」を握ろうというものである。……

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タイ代表日本代表

Profile

らいかーると

昭和生まれ平成育ちの浦和出身。サッカー戦術分析ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』の主宰で、そのユニークな語り口から指導者にもかかわらず『footballista』や『フットボール批評』など様々な媒体で記事を寄稿するようになった人気ブロガー。書くことは非常に勉強になるので、「他の監督やコーチも参加してくれないかな」と心のどこかで願っている。好きなバンドは、マンチェスター出身のNew Order。 著書に『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』(小学館)。

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