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今夏の移籍金収入は1億4350万ユーロ!ドク、カマビンガらを輩出したスタッド・レンヌで受け継がれる伝統の若手戦略

2023.09.26

ウスマン・デンベレ(→ボルシア・ドルトムント/現パリ・サンジェルマン)、エドゥアルド・カマビンガ(→レアル・マドリー)の出身チームとして知られるリーグ1のスタッド・レンヌ。今夏もジェレミー・ドク(→マンチェスター・シティ)、レスリー・ウゴチュク(→チェルシー)らを送り出したばかりの若手タレント輩出クラブで受け継がれる伝統を、関係者の声とともにフランス在住の小川由紀子さんに紹介してもらおう。

 ジェレミー・ドクのマンチェスター・シティへの移籍で6000万ユーロ、19歳のレスリー・ウゴチュクは2700万ユーロでチェルシーへ。ロブロ・マイェルもボルフスブルクに2500万ユーロで譲渡。その他複数名の選手売却を進め、この夏のメルカートで、レンヌは1億4350万ユーロもの収入を得た。

 サウジアラビアのアル・ヒラルにネイマールを9000万ユーロで手放したのを筆頭に、マルコ・ベラッティやマウロ・イカルディらを一斉に放出したパリ・サンジェルマンを除けば、レンヌはリーグ1でこの夏、もっとも選手売却で利益を上げたクラブといえる。

 しかしこれは今年に限ったことではない。

 昨年の夏は、17歳の新鋭マティス・テルをバイエルン・ミュンヘンにボーナス込みで推定2850万ユーロ、2021年の夏には、18歳のエドゥアルド・カマビンガをレアル・マドリーに3100万ユーロと、毎年のように彼らは、ビッグクラブに将来有望な若手を供給している。

国内トップに返り咲き!パリSG、モナコに負けない育成施設

 レンヌの育成アカデミーは、フランス国内のみならず、欧州の強豪リーグからも高い評価を得ている、優秀なタレント養成施設だ。

 1970年に創設された育成所が、アカデミーとして本格的に始動したのは1987年のこと。1979-80シーズンから4年間プレーしたクラブOBのパトリック・ランピヨンを責任者に迎えたこの年、アカデミー生の学業をサポートするプライベートスクール『ODORICO』を本拠地の隣に併設し、「サッカーと学業を並行して高いレベルで推し進める」という、フランスサッカー連盟(FFF)が掲げる理想の育成所がレンヌに誕生した。

 ランピヨンが責任者を務めた2014年までの間、レンヌは、FFFが毎シーズン発表するプロクラブの育成施設ランキングで、なんと6年連続でナンバー1を獲得している(2006〜2011年)。

 そして7月に発表された2023年度版ランキングでも、ケタ違いの予算を擁するパリSGやモナコを差し置いて、見事トップに返り咲いた。

FFFがお墨付きを与えたレンヌのトレーニングセンター

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ウスマン・デンベレエドゥアルド・カマビンガジェレミー・ドクレンヌ

Profile

小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。

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