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12.29再開!リーガの注目点。バルサの売買、マドリーのマジック、久保建英が見る“新しい景色”、セティエンという賭け…

2022.12.27

プレミアリーグに続いて2022年内に再開するリーガエスパニョーラ。カタールW杯後の初戦、第15節(全38節)が12月29〜31日に行われる。リーグ戦モードに戻るために押さえておきたい注目ポイント、冬の補強話を含めた主要チームの現状と課題を紹介しよう。

 W杯前リーガの最後の試合が11月8〜10日、W杯後最初の試合が12月29〜31日。この間、コパ・デルレイの2試合があったので、実質的には1カ月と1週間を、リーガ勢は2週間程度のバケーション+リーガ再開の準備で過ごした。プレシーズンに3週間かける、というのは夏と同じくらいで、時間が足りないということはないだろう。コパ・デルレイや親善試合で実戦感覚を取り戻してから、リーガ再開に臨む。

 もっともこれはW杯組以外に限ってのことで、W杯組は徐々に練習に合流していくことになる。例えば、レアル・マドリーでは12月12日からの週にクルトワ、アザール、バルベルデ、リュディガーが、19日の週にカルバハル、アセンシオが、26日の週にビニシウス、ロドリゴ、ミリトンが、28日にモドリッチ、チュアメニ、カマビンガが合流する。28日の3人は30日のバジャドリー戦への出場は絶望で、26日の3人についても難しいだろう。

 つまり、W杯組を含めたベストメンバーでの再開は年明けになる。グラウンド外に目を向ければ、この中断期間のおかげで冬の移籍市場の交渉が今年は前倒しになっている。

アトレティコが選ぶのはシメオネか?J.フェリックスか?

 補強話も含めて主な注目チームの現状と課題を紹介したい。

 まずバルセロナ(1位・勝ち点37)。10月16日のクラシコに敗れてからリーグ5連勝、首位を奪い返したところで中断に入った。話題となっているのは依然、冬の移籍市場での振る舞い。W杯で評価を上げたフレンキー・デ・ヨンクが残留に近づく一方、メンフィス・デパイ、ラフィーニャに放出の噂がある。期待を裏切ったアンス・ファティについてはむしろ積極的に使って回復させる方針らしく、ウスマン・デンベレも不動。そうすると中断前にシャビの信頼を取り戻していたフェラン・トーレスがはみ出すかもしれない。補強ポイントはブスケッツの後釜になれるセントラルMFと右SBとされるが、いずれにせよ、CLグループステージ敗退もあって放出しないと補強できない財政状況だ。

 移籍市場との絡みで、グラウンド上でも左右ウインガーをデンベレ、ラフィーニャ、フェラン、ファティのうち誰をメインで回していくのかが注目点となる。

 中断がプラスになったのはレアル・マドリー(2位・勝ち点35)だ。首位陥落の原因となったベンゼマのケガも完治。デシャン監督(フランス代表)との軋轢(あつれき)によりカタールから早期に帰されたことで十分に治療と調整の時間が取れた。これは大きい。

 モドリッチ、カマビンガ、チュアメニの復帰の遅れは、アンチェロッティ監督がマジックで解決するだろう。冬の移籍市場では動かないことを早々と宣言済みであることからわかる通り、選手層の問題はない。セバージョスにとっては大チャンスだし、バルベルデやアセンシオのインサイドMF起用もあるかもしれない。バルセロナではレバンドフスキが中断前のトラブルで3試合の出場停止なので巻き返しのチャンスである。

第9節のレアル・マドリー対バルセロナ(3-1)で競り合うビニシウスとフレンキー・デ・ヨンク、セルジ・ロベルト、ブスケッツ(左から)。バルセロナは12月31日にエスパニョールとのダービー(H)に臨み、1月はアトレティコ・マドリー(A)、ヘタフェ(H)、ジローナ(A)と対戦。レアル・マドリーは12月30日のバジャドリー(A)戦後、ビジャレアル(A)、アスレティック・ビルバオ(A)、ソシエダ(H)戦と続く

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木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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