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イングランド代表指揮官、56年ぶりに優勝すれば「ダンス」披露を約束

2022.12.10

 56年ぶりの世界一を目指すイングランド代表。破壊力抜群のチームを率いるギャレス・サウスゲイト監督(52歳)は「ダンス」を誓った。

チッチのダンスに噛み付いたキーン

 イングランドは、今年6月から9月まで29年ぶりに6試合未勝利という不安を抱えたまま本大会を迎えたが、グループステージ初戦でイランを6-2で退けると、準々決勝まで順当に勝ち上がってきた。そして2大会連続のベスト4進出をかけてフランスと相まみえる。

 ドーバー海峡を挟んだ隣の国であるフランスとの大一番を前に、サウスゲイト監督が「ダンス」を誓っている。今大会は、ブラジル代表のチッチ 監督が12月4日に行われたラウンド16の韓国戦で選手たちに混ざってゴール後にダンスを踊ったことが話題になった。

 SNSなどで「おやじダンス」として動画が拡散されるなど反響を呼んだが、そのダンスに異を唱える者もいた。それがマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元アイルランド代表のロイ・キーン(51歳)だ。英国TV局『ITV』で解説を務めるキーンは、ダンスについて「失礼だ」と酷評した。「対戦相手へのリスペクトを欠いている。4ゴールも決めたのに毎回踊っていた。最初の軽いステップ程度ならいいが、それを繰り返し、しまいには監督まで加わった。褒められたものではない」

チッチ監督も加わった韓国戦でのブラジルのダンスは賛否両論を巻き起こした

「優勝したら踊る」を公約

 さらにキーンは『Sky Bet』の番組でもチッチ監督を酷評した。「試合中に監督が躍るなんて理解できない。10mほど隣には相手チームの監督だっている。サッカーはリスペクトのスポーツだ。踊るなら、試合後の控え室やナイトクラブで踊ればいい。なぜブラジルのダンスは許されるんだ? すべてのチームがゴール後に踊りだしたら、1試合が3日間くらいかかってしまう。もしかすると、コーチライセンスの一環で戦術ではなくダンスを教えるべきなのかもしれない」

 そんな中でイングランドのサウスゲイト監督にも「おやじダンス」の話題が及んだ。フランスとの大一番を前に、試合に勝ったらダンスを踊るかという質問を受けた指揮官は「しないだろうね」と否定した。しかし「もし56年ぶりに頂点に立ったら?」という質問には「ダンス」を誓ってみせた。

 「そうなったら話は別だね。その時は、喜んで恥をかくよ! でも、それまでは踊らないよ」

 果たしてイングランドは56年ぶりの世界一に輝けるのか。そして私たちはサウスゲイト監督の“華麗なステップ”を拝むことができるのか。イングランド代表の戦いに注目したい。


Photos: Getty Images

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イングランド代表ギャレス・サウスゲイトチッチロイ・キーン

Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。

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