W杯で見てほしい!推しクラブのイチオシ選手#5_インテル編
いよいよ開幕したカタールW杯。4年に一度の祭典をどのように満喫するかは人それぞれだが、普段特定のクラブを応援している人にとって、所属選手たちの活躍は楽しみの1つであろう。そこで、自らの推しクラブを持つ方々にW杯で注目してほしい“イチオシ選手”をピックアップしてもらい、その魅力を綴ってもらう。
第5弾は“3冠世代インテリスタ”の白面(@Hakumen9b)さんが、インテル在籍5季目のエース、アルゼンチン代表のFWラウタロ・マルティネスを取り上げる。
インテル・ミラノとアルゼンチンは、世代を問わず特別な関係を築き上げてきた間柄だ。言わずもがな、現クラブ副会長であるハビエル・サネッティをはじめ、3冠獲得(2009-10シーズン)メンバーのワルテル・サムエルやエステバン・カンビアッソらの勇姿を懐かしく思うファンは多いだろう。他にも苦しい時代を支えてくれたロドリゴ・パラシオ、物議を醸しつつも一時代を築いたマウロ・イカルディ(現ガラタサライ)など、枚挙にいとまがない。
そして今日のインテルにも、クラブの未来を担うアルゼンチン出身選手がいる。名は、ラウタロ・ハビエル・マルティネス(以下ラウタロ)。25歳にしてインテルで背番号10を背負う若者は、名実ともにチームの「顔」へと成長しつつある。
「南米直輸入」の悪しきジンクスに終止符を打った男
2018年夏から始まったインテルでの歩みは、決して順風満帆なものではなかった。特に入団当初は、期待も大きいが不安も大きい、そんな状況に置かれていたように思う。
これには、本人の資質・能力とは異なる理由があった。南米出身選手の多さで知られるインテルだが、欧州の他クラブを経由せず、現地から直輸入した選手が悲しいほど機能せず、これまで少なくない損害を被っていたことが影響したのだ。
例えば2011-12シーズン、夏の補強の目玉として加入しながら大成できなかったリカルド・アルバレスや、マイコンの後継者と期待されて獲得されたが、代役としては甚だ力不足であったジョナタン。他にも空中戦の強さはともかく、地上戦における判断ミスの多さなどから、レギュラーに定着しきれなかったファン・ジェズス(現ナポリ)。極めつきは推定2500万ユーロの移籍金で加入したものの、チームにもカルチョにもまったく定着できず、大きな負債となってしまった“ガビゴウ”ことガブリエウ・バルボーザ(現フラメンゴ)だろう。
「ガビゴウ並の移籍金を支払って獲得したラウタロ・マルティネスという若者は、本当に大丈夫なのか?」
ファンにとっては、これまでのたび重なる失敗を踏まえ、懐疑的にならざるを得ない状況だったわけである。……
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白面
集団心理とか、意思決定のノウハウ研究とかしています。昔はコミケで「長友志」とか出してました。インテルの長所も短所も愛でて13年、今のノルマは家探しです。