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3試合で勝ち点わずか1。セビージャに今、何が起こっているのか

2022.08.31

リーガでは過去3シーズン連続4位。3強の牙城を崩せないまでも肉薄し強豪の一角に数えらえるセビージャに異変が起こっている。3試合を終えて1分2敗の15位。単なるスタートダッシュの失敗なのか、それとも……。その原因を探る。

 「もう少し信頼してくれ。団結しなければ危機を脱することはできない。私はもうベテランだ。勝ったこともあったし楽しんだこともあったではないか。嘘は言わない。我われは必ず前へ進む」

 8月27日、セビージャはアルメリアに敗れた。これで3戦、うち2つは昇格組(バジャドリー、アルメリア)との対戦で勝ち点はわずか1。41年ぶりの悪いスタートだそうだ。

 「ロペテギ、辞任しろ!」というコールが数百人の、わざわざ隣県まで駆け付けたファンから上がる中、モンチは彼らの前で冒頭のように訴えた。

 それで怒りはいったんは落ち着いた。

 モンチの声は監督のジューレン・ロペテギよりも、どんな選手よりも、会長よりも権威がある。若いファンは2部に落ちていたセビージャのことを知らないだろう。そんなクラブを6度のEL制覇(UEFAカップ時代を含む)に仕立てた張本人なのだから。

プランニングの失敗

 そんなモンチが今夏はプランニングに失敗した? それもある。

 欧州の有数のCBコンビと呼ばれたジエゴ・カルロスとクンデが出て行った。代わってやって来たタンギ・ニャンズーはまだ20歳、もう一人のマルコンに至ってはケガ持ちで来てまだ練習グラウンドすら踏んでいない。良い控え止まりのカリム・レキクと急造CB、本職守備的MFのネマニャ・グデリのコンビがリーガのレベルにないことは、この3戦で十分証明された。

 セビージャの問題は守備だけではない。……

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セビージャモンチリーガエスパニョーラ

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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