ワールドカップイヤーの60人の要注意人物
11、12月開催のW杯を控えた異例のシーズン。カタールをめぐる戦いの始まり
[特集Ⅰ]
ワールドカップイヤーの
60人の要注意人物
22-23の欧州各国リーグは、今までにない変則的なシーズンになる。11月、12月にカタールW杯が開催されるため、開幕が前倒しされ、W杯期間はリーグ戦が中断される。
当然、W杯に向けたチーム作りも今までと同じにはいかないだろう。大会直前の準備期間が短くなることはもちろんだが、シーズン序盤の所属クラブでのプレーによって代表メンバーのパフォーマンスや選考自体が変わってくるからだ。特に移籍した選手が新チームへの適応に苦しみ、出場機会を失うようなことがあれば代表チームへの影響は避けられない。
新シーズン開幕プラスαの意味で重要性を帯びてくる特殊なワールドカップイヤーの要注意人物を選手、監督、フロントにスポットを当て60人ピックアップした。異例のリーグ戦、そしてカタールをめぐる戦いが始まる。
ENGLAND|PREMIER LEAGUE
[1]三笘 薫(ブライトン)
ドリブル大好きイングランド人の熱視線
“遅攻”中心チームに待望の新「エナジー」
[2]ヌニェス(リバプール)
シティ戦ゴールで最高の公式戦デビュー!
クロップ流“純正9 番”システムの目指す先
[3]スターリング(チェルシー)
27 歳、11 冠、積極姿勢のトゥヘル第一希望
人種差別撲滅の旗手としても意義ある移籍
[4]クリバリ(チェルシー)
31歳?T.シウバのようにまだまだピーク
初戦から“ブルーズ26番”らしい頼もしさ
[5]リシャーリソン(トッテナム)
コンテも絶賛、贅沢な“4 人目”の大物FWが
スパーズ攻撃陣に「必要なもの」をもたらす
[6]エリクセン(マンチェスター・ユナイテッド)
不屈の男が「旅を続けるには完璧な場所」
マンチェスターとカタールに懸ける思い
[7]ガブリエウ・ジェズス/[8]ジンチェンコ(アーセナル)
シティに一礼、勝者のメンタリティを伝える
“どこまでも神なやつ”と“ アルテタの息子”
[9]ホーランド(マンチェスター・シティ)
開幕前段階ではマイナスからのスタート
偽ではない大型9番とシティの化学反応
[10]ライス(ウェストハム)
ハマーズの“ハート&ソウル”として見納め
1億5000万ポンドの現役最高峰ボランチ
[11]ミトロビッチ(フルアム)
昨季43 発の2 部史上最強ストライカーは
“今季こそ”プレミアで通用するのか?
[12]ブレナン・ジョンソン(ノッティンガム・フォレスト)
「俺たちの自前選手♡」で「ウェールズの未来」
24季ぶり昇格の古豪が誇る血統書付きの才能
SPAIN|LIGA ESPAÑOLA
[13]リュディガー/[14]チュアメニ(レアル・マドリー)
「一石二鳥」な2人の新戦力は
チームの戦術をも変えるかもしれない
[15]レバンドフスキ(バルセロナ)
シャビの下で改善したチームに欠けていた、
得点力を埋めるラストピース
[16]ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリー)
「シメオネのチームでなければ…」の声を
かき消せるか。“新旧7番コンビ”の可能性
[17]エン・ネシリ(セビージャ)
“時間があるほどミスをする”点取り屋は
W杯イヤーに爆発するか?
[18]カナーレス(ベティス)
人生もキャリアも今が最高潮
W杯では「不在」が話題になる!?
[19]ジェラール・モレノ(ビジャレアル)
昨季はケガに泣いた男が
スペイン代表の「秘密兵器」になる
[20]久保建英(ソシエダ)
プレースタイルに適したチームでの挑戦
最も熾烈なチーム内競争を勝ち抜けるか
[21]イニャキ・ウィリアムス(ビルバオ)
「ルーツを忘れるな!」
1つの夢が終わり、もう1つの夢が始まる
[22]柴崎 岳(レガネス)
監督は変われど信頼は絶大
トップフォームで大舞台へ
ITALY|SERIE A
[23]ポグバ(ユベントス)
6年の歳月を経て「10番ポグバ」の第二章
恩師アレグリの下で再起を誓う
[24]ディ・マリア(ユベントス)
足りなかった「サイドのチャンスメイカー」
若手切り替えの方針を無視した即戦力
[25]レオン(ミラン)
「ムバッペやCR7のレベルに到達したい」
スクデットの立役者が目指す次のステージ
[26] カルディナーレ(ミラン新オーナー)
ミラン新オーナーは「マネーボール」信奉者
ネクストプランはMCO のフラッグクラブ?
[27]ルカク(インテル)
「チェルシー時代の二の舞」のリスク?
元エースはインザーギの戦術にフィットするか
[28]ディバラ(ローマ)
ローマに降り立った「夢とファンタジアのシンボル」
「愛のある環境」が変化の契機になるか?
[29]ヨビッチ(フィオレンティーナ)
同胞ブラホビッチのタスクを受け継ぐ
レアルでの不遇を経て「目標は30 ゴール」
[30]エルリッチ(サッスオーロ)
今夏、クロアチア代表で大ブレイク
サッスオーロでの「証明」が未来を拓く
[31]サッリ(ラツィオ監督)
“サッリ・ボール”はもはや時代遅れなのか?
すべての鍵は「ボール奪取力の低さ」の克服
[32]ガッリアーニ(モンツァ会長兼CEO)
地元の中小クラブで「ミランの再現」
“カルチョメルカート劇場”が帰って来た!
GERMANY| BUNDESLIGA
[33]ナーゲルスマン(バイエルン監督)
イタリア新世代監督フォルミサーノが分析する
「モダンサッカー3.0」の実践者ナーゲルスマン
[34]マネ(バイエルン)
ナーゲルスマンの求めるFW 像に合致
「レシーバー」としてチームを進化へ導く
[35]シュロッターベック(ドルトムント)
ブレイクのきっかけは肉体改造
クラブでの、代表でのレギュラー奪取に挑む
[36]ディアビ(レバークーゼン)
熱心な関心を寄せられるも残留を決断
点を取り、取らせるアタッカーはまだまだ伸びる
[37]オルモ(RBライプツィヒ)
クラブでは今季から7番に背負う男が
ピッチ内外で見せる“遊び心”を見逃すな
[38]堂安 律(フライブルク)
クラブにとって願ったり叶ったりの選手
チーム戦術に溶け込めば重要な存在になれる
[39]板倉 滉(ボルシアMG)
DNAへの回帰のために指揮官が獲得を熱望
「チームが一番必要とするところでプレーする」
[40]鎌田大地(フランクフルト)
「ミスター・ヨーロッパ」への信頼は厚い
ゲッツェ加入でボランチ起用の可能性も
[41]浅野拓磨(ボーフム)
総合力の高いアタッカーとして
最前線以外での活躍が見られるかもしれない
[42]遠藤 航(シュツットガルト)
29歳にしてチーム最年長の主将は
今季もシュツットガルトの“主役”だ
FRANCE|LIGUE 1
[43]ハキミ(パリ・サンジェルマン)
新監督の3バック布陣で大暴れの予感
ムバッペに届くキラークロスに注目だ
[44]クラウス(マルセイユ)
24歳でプロになり29歳で仏代表になる
超遅咲き“となりのお兄ちゃん”的WB
[45]デイビッド(リール)
リールとカナダのために走り続けた21–22
傾聴力と努力、ブレない主砲が初のW杯へ
[46]ラムジー(ニース)
31歳の「新章」は若手集団のリーダー役
W杯のための挑戦、輝きを取り戻せるか
[47]南野拓実(モナコ)
臨機応変なシステム変更を可能にする人材
モナコは南野をザルツブルクから見ていた
[48]伊東純也(スタッド・ランス)
待望の「果敢に仕掛けるチャンスメイカー」
入団2日後の先制アシストに地元サポ熱狂!
NETHERLANDS/BELGIUM/PORTUGAL/SCOTLAND
[49]ブロビー/[50]イハターレン(アヤックス)
出戻りでブレイク寸前の大器ブロビーと
復活を辛抱強く待ちたい天才イハターレン
[51]ファン・ニステルローイ(PSV監督)
「もう1年」から熱意にほだされ決心
陣容そろった[4-3-3]のボール支配
[52]ピメンタ(代理人)
ライオラの後継者は「落ち着いた思考家」
オランダサッカー界への影響力増大は必至
[53]スミット(フォーレンダム会長)
オランダの国民的歌手が地元クラブの会長に
ピッチ内外の「サステナブル」な構想に熱い視線
[54]林 大地(シント=トロイデン)
サポーターに大人気の『疲れ知らずのうさぎ』
思い入れが深い「8番」で無限に走り回る
[55]ロベルト・マルティネス(ベルギー代表監督)
ベルギーをスターダムへ押し上げ、今や全権監督
しかし、TD兼任で「一体誰が評価を下すのか?」
[56]オーフェルマルス(アントワープTD)
スキャンダルからの再起を図る
名ディレクターの新たな任務は古豪の覚醒
[57]フレイレ(リオ・アベ監督)
36歳にして7度の昇格を成し遂げた異色監督
「アイディア泥棒」を自称する改善の達人
[58]守田英正(スポルティング)
「静」と「動」の2つの役割をこなし、
名門スポルティングの柱になる
[59]古橋亨梧(セルティック)
“未知数の新人”から“エース”へ
2年目に求められるのは「ゴール」と「勝利」
[60/対談]原口元気(ウニオン・ベルリン)×谷川 聡(筑波大学准教授・博士)
答えは選手の感覚にある
走り方を教えないスプリントトレーニングの秘密
[特集Ⅱ]
ワールドカップから学ぶサッカーと社会
2020年から本格化したコロナ禍、そして2022年のウクライナ侵攻とロシアW 杯からカタールW杯までの4年間は激動の時代だった。この間にサッカーというスポーツの社会性はさらに強くなったように感じる。
開催国カタールの政治的な立ち位置や国家ブランディングの狙い、スポーツウォッシングの歴史、スポーツと政治は切り離すべきなのか?さらには拡大していくワールドカップがどこに向かおうとしているかまで世界最大のスポーツの祭典を通して見えてくる、サッカーと社会の関係を考えてみたい。
外交戦略で見る、カタール2022
「湾岸諸国の先駆者」が及ぼす影響力
PSGブランディング担当が明かす
「パリ」の魅力を活用した壮大な実験
COLUMN①
「史上最も暗いW杯」も…
繰り返されるスポーツウォッシングの歴史
48カ国に拡大される北米ワールドカップ
背景にあるFIFAの思惑と存在感を増すアメリカサッカーの未来
COLUMN②
ベンゲルが提唱し、FIFAが検討中
「W杯隔年開催」の経済効果とは?
INTERVIEW
小笠原博毅(神戸大学教授)
「サッカーに政治を持ち込むな」の根源的矛盾
人種差別、ロシア除外、Japan’s Wayに潜む複雑性
COLUMN③
私たち自身が波と化す時代
選手の「社会的発言」は増えているのか
INTERVIEW
山崎卓也(FIFPROアジア支部代表)
吉田麻也「地球8周分」移動の裏にある
サッカーエコシステムの中央集権問題
REGULAR
戦術リストランテ ●西部謙司
– デンマークに学ぶ、「対強豪国」の教科書
モダンサッカーの戦術用語講座 ● レナート・バルディ×片野道郎
– ネガティブトランジションその①「ゲーゲンプレッシング」「群れ」「〇秒ルール」など
ドイツサッカー誌的フィールド ●ダニエル・テーベライト
– シャルケとブレーメンは戻ったが…伝統クラブの苦難
ディープスロート内部情報が語るRマドリー ●ディエゴ・トーレス
– バルセロナの“補強”をせせら笑うフロレンティーノ
TACTICAL FRONTIER 進化型サッカー評論 ●結城康平
– 近未来のフットボールの鍵?データ分析で見る「両利き」の性質
CALCIOおもてうら ●片野道郎
– 「ポスト・コロナ」の移籍マーケットに見る、セリエAの「財政的斜陽」
サッカーを笑え ●木村浩嗣
– クラブへのルールである年俸枠が選手へのパワハラを正当化している。F.デ・ヨンクへのバルセロナの処遇は立派なパワハラである
フットボリスタ・ラボ・レボリューション’22
– 第27回 AK:日韓W杯でサッカーに触れ、人間的成長を得て指導者の道へ
連載コラム
ENGLAND●山中 忍/FRANCE●小川由紀子
NETHERLANDS●中田 徹/RUSSIA●篠崎直也
BRAZIL●沢田啓明/ARGENTINA●Chizuru de Garcia