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クロップがリバプールで築く「GKの学校」。 タファレルを第3のGKコーチに招いた理由とは

2022.02.26

昨年12月、リバプールはブラジル代表GKコーチのクラウディオ・タファレルを3人目のGKコーチとしてトップチームに迎えた。かつてセレソンの守護神として1990年のイタリア大会から3大会連続でW杯の舞台に立ち、1994年のアメリカ大会では決勝のPK戦でイタリア代表ダニエレ・マッサーロのPKを止め、母国を世界制覇に導いたあのヒーローだ。

ブラジルのレジェンドがマージーサイドに到来した背景を、ユルゲン・クロップ監督や他のGKコーチ、そしてタファレル自身の言葉から探ってみよう。

 リバプールで2011年からGKコーチを務めているのが、オランダ人のジョン・アクターバーグだ。現役時代に母国のNACブレダとFCアイントホーフェンでプレーしたアクターバーグは、リバプールのレジェンドであるジョン・オルドリッジが指揮を執っていた当時イングランド2部のトランメア・ローバーズに移籍。11シーズンにわたり在籍した後、2009年にマージー川を挟んで対岸にあるリバプールアカデミーのGKコーチに抜擢され、指導者の道を歩み始めた。

 2011年にサー・ケニー・ダルグリッシュ率いるトップチームのGKコーチに昇格したアクターバーグは、後任のブレンダン・ロジャーズの下でも仕事を続け、現指揮官ユルゲン・クロップからも「GKの百科事典」と呼ばれるほど絶大な信頼を得ている。彼の働きぶりを知るクラブOBのジェイミー・キャラガーによれば、アクターバーグはPKキッカーの分析も担当。

 実際に2018-19シーズンのプレミアリーグ第8節マンチェスター・シティ戦では、リヤド・マレズが同クラブで初めてPKを蹴る際に、コーチングエリアからピッチに背を向けて片腕を上げる不自然なジェスチャーでGKに飛ぶ方向を指示する姿が目撃されている。結果的にマレズのPKは枠外に外れたものの、アクターバーグの読み通りボールは左へ飛んでいた。

練習でのクロップとアクターバーグ。写真は2018年

 2018年9月にはアクターバーグの補佐役として、イングランド代表のU-15チームとU-17チームでGKコーチを担当していたジャック・ロビンソンをアシスタントGKコーチに迎え、昨年12月までリバプールのGK指導は2人体制で行われてきた。

GK練習を6選手と3コーチで実施

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クラウディオ・ラファレルジョン・アクターバーグユルゲン・クロップ文化

Profile

田丸 由美子

ライター、フォトグラファー、大学講師、リバプール・サポーターズクラブ日本支部代表。年に2、3回のペースでヨーロッパを訪れ、リバプールの試合を中心に観戦するかたわら現地のファンを取材。イングランドのファンカルチャーやファンアクティビストたちの活動を紹介する記事を執筆中。ライフワークとして、ヨーロッパのフットボールスタジアムの写真を撮り続けている。スタジアムでウェディングフォトの撮影をしたことも。

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