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アルゼンチン代表にユース世代が8人。サプライズ招集の意図とは?

2021.11.09

 今月行われるW杯予選(日本時間11月13日のウルグアイ戦と同17日のブラジル戦)に向け、アルゼンチン代表のリオネル・エスカローニ監督が発表した34人のメンバーの中に、今回がA代表初招集となるユース世代の選手が含まれた。

8人をサプライズ招集

 サプライズ招集としてアルゼンチン国内のみならず対戦国でも話題になっているのは、FWティアゴ・アルマーダ(ベレス・サルスフィエルド所属)、MFエンソ・フェルナンデス、MFサンティアゴ・シモン(ともにリーベルプレート)、MFクリスティアン・メディーナ、FWエセキエル・セバージョス(ともにボカ・ジュニオール)、DFガストン・アビラ(ロサリオ・セントラル)、MFマティアス・ソウレ(ユベントス)、そしてGKフェデリコ・ゴメス・ゲルト(ティグレ)の8人だ。

 親善試合ではなくW杯予選という真剣勝負の場に10代の選手5人を含む若手を招集したエスカローニ監督の意図について、国内のメディア『TyCスポーツ』は、フアン・フォイやルーカス・アラリオが負傷中である他、GKアグスティン・マルチェシンが8月に右膝の手術を受けて以来コンディションを取り戻せていないことを指摘した上で、「若手をスパーリングメンバーとして起用すること」以外に「A代表に合流させて経験を積ませること」が目的であると指摘した。

 国内でプレーする若手では実力ナンバーワンとされ、10月末にMLSのアトランタ・ユナイテッドへの移籍決定と報じられたアルマーダと、マルセロ・ガジャルド監督に認められ、昨年2月にはレンタル先のデフェンサ・イ・フスティシアでコパ・スダメリカーナ優勝の立役者となったフェルナンデスについては「出場のチャンスあり」と見る人もいる。

17歳のGKにも注目

 もちろん、他の選手たちにもA代表デビューの可能性がまったくないわけではない。シモン、メディーナ、セバージョスも既にそれぞれトップチームでプレーしており、U-17代表で(メディーナとセバージョスはU-15代表でも)南米チャンピオンに輝いている。ソウレはベレスの下部組織で名手として注目され、U-16代表に選出されたが、その後フリーでユベントスに移籍した逸材だ。

 今回招集された8人の若手の中で、アルゼンチン国内でも「最も大きなサプライズ」と言われたのがゴメス・ゲルトだ。ティグレ(2部)のリザーブチームに属する17歳のGKで、プロデビューはまだだが、U-15代表としてU-15南米選手権への出場歴があり、昨年2月にはパブロ・アイマール監督率いるU-17代表に、10月にはU-20代表メンバーにも選ばれ、今回の招集で一気に脚光を浴びている。

 W杯南米地区予選は第12節終了時点でブラジルが10勝1分で首位を独走、7勝4分(※第6節のブラジルvsアルゼンチン戦は試合途中に中断)のアルゼンチンは2位。プレーオフ圏にいる5位ウルグアイとは勝点で9ポイントの差を付けており、この2試合で連勝すれば、4試合を残した段階でカタール行きへと一気に近づくこととなる。


Photo: Getty Images

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Chizuru de Garcia

1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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