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新生レアル・マドリーは何が変わった? 東大ア式蹴球部分析官による「強み」「弱み」の徹底分析とクラシコ展望

2021.10.24

無冠に終わった昨シーズンからの雪辱を期し、今シーズン復帰したカルロ・アンチェロッティ監督の下で新たなスタートを切ったレアル・マドリー。経験豊富なイタリア人指揮官はどのようにしてチーム作りを進めているのか。東大ア式蹴球部のテクニカルスタッフを務め、自身のnoteでレアル・マドリーについて執筆しているきのけい氏が分析する。

 百戦錬磨の名将カルロ・アンチェロッティが、2014-2015シーズン以来6年ぶりに監督に再就任したレアル・マドリー。ジネディーヌ・ジダン監督と主将セルヒオ・ラモス、2人のレジェンドが同時にクラブを去りネガティブな雰囲気に包まれる中、10度目のCL制覇“デシマ”をもたらし、選手・サポーターからも愛された指揮官の招聘を即座に決めたフロレンティーノ・ペレス会長の立ち回りは、さすがと言わざるをえない。

2度目のレアル・マドリー就任を果たしたカルロ・アンチェロッティ監督

 まず、今シーズンのレアル・マドリーの主要4局面における戦術的志向を簡単にまとめるとこのようなものだ。

攻撃:「縦志向の強い」ポジショナルプレーによるシームレスなビルドアップと崩し
攻撃→守備(ネガティブトランジション):ボール周辺の選手複数人で即時奪回を狙う
守備:高い位置からのアグレッシブなプレッシングが主体
守備→攻撃(ポジティブトランジション):果敢にスペースへスプリントしてボールを追い越し、人数をかけてショート/ロングカウンターを行う

 アンチェロッティ、そして世界屈指の強豪であるレアル・マドリーらしく攻撃的なスタイルと言えそうだ。しかし現時点ではケガ人などの影響によりチーム作りに時間がかかっており、上に挙げた戦術的志向の理想形とはまだまだ乖離がある。ここまでの試行錯誤と、具体的な「強み」と「弱み」を、ジダン政権との違いに触れながら掘り下げ、紐解いていく。

ゴール数大幅増加のワケは”縦へのスピード”

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カルロ・アンチェロッティ分析

Profile

きのけい

本名は木下慶悟。2000年生まれ、埼玉県さいたま市出身。東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻所属。3シーズンア式蹴球部(サッカー部)のテクニカルスタッフを務め、2023シーズンにエリース東京FCのテクニカルコーチに就任。大学院でのサッカーをテーマにした研究活動やコーチ業の傍ら、趣味でレアル・マドリーの分析を発信している。プレーヤー時代のポジションはCBで、好きな選手はセルヒオ・ラモス。Twitter: @keigo_ashiki

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