この夏、武藤嘉紀や大迫勇也と大物の獲得が続くヴィッセル神戸に、もう一人注目すべき新加入選手がやって来た。ボージャン・クルキッチ。バルセロナの下部組織で「メッシの後継者」と期待された逸材がぶつかった壁の正体、そして新天地での活躍を展望する。
バルセロナが誇る育成組織として知られるラ・マシアにおいて、900ゴール以上を記録した生粋のストライカー。ボージャン・クルキッチは、間違いなくラ・マシアの歴史の中でも随一の逸材だった。9歳の時、憧れたバルセロナのユニフォームに袖を通すと、そのスピードと狭いスペースでのボールコントロールでゴールを量産。トップチームのデビューはリオネル・メッシとの交代であり、バルセロナ期待の若手がアルゼンチン代表で活躍するエースとも比較されるようになっていくのは必然だった。
抱え続けた「見えない病」
2018年、『ガーディアン』紙のインタビューでボージャンは当時の心境を次のように吐露している。
「17歳の頃、僕の人生は一変してしまいました。6月にU-17W杯に出場した時、誰も僕のことを知っている人はいませんでした。帰ってきたら、道を歩くこともできないくらい有名になっていたんです。オサスナとのゲームでデビューし、3~4日後にはチャンピオンズリーグでプレー。ビジャレアル戦でゴールを決め、そしてスペイン代表に招集されることになりました」……
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結城 康平
1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。
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2020.03.28