ラルフ・ラングニックの薫陶を受けた指導者がまた1人、トップリーグに挑むこととなった。彼の名前はマティアス・ヤイスレ。33歳の若さでRBザルツブルクの指揮官に就任した指揮官は、トップレベルでのプレー経験、大学でスポーツ経営を学んだ経験、そして指導者としての経験も備えた将来有望な指揮官である。
2021年4月下旬、アメリカ人のジェシー・マーシュがRBライプツィヒの監督に就任することが決まった。その後任としてRBザルツブルクのトップチーム監督に就任したのは、ファームチームのFCリーフェリンクから昇格した33歳のマティアス・ヤイスレだ。
昨季の後半が始まる前にボー・スベンソンがマインツの監督に就任したことで、RBザルツブルクU-18からリーフェリンクの監督に昇格し、平均年齢18.5歳のチームをオーストリア2部で2位に導いた。わずか半年の間にU-18からトップチームの指揮官に昇格したヤイスレは、ホッフェンハイムの選手時代からラルフ・ラングニックの寵愛を受けた愛弟子だ。
代表入り目前のケガ…キャリアの転換期
アンダー代表でもあったヤイスレは、18歳にしてシュツットガルトでプロ契約を結ぶことも決まっていたが、ホッフェンハイムでのプロジェクトを進めていたラルフ・ラングニックに声をかけられる。2007-08シーズンのプロ1年目でホッフェンハイムの1部昇格に貢献し、2年目も2008年はブンデスリーガで安定したプレーで注目を集める若手選手だった。当時ドイツ代表でアシスタントコーチを務めていたハンジ・フリックからも連絡を受け、A代表入りも視野に入っていた。……
Profile
鈴木 達朗
宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。