ナーゲルスマン体制下でのチーム作りがスタートしたバイエルン。そのトレーニングは地元メディアに「カオス」と表現された。早くも自分の“色”を出している青年指揮官は、バイエルンで自身初のタイトルを獲得できるだろうか。
33歳の若さで2500万ユーロの違約金とともにバイエルンにやって来たユリアン・ナーゲルスマン。バイエルン州で育った彼は、子供の頃からバイエルンのDNA「ミア・ザン・ミア(俺たちは俺たちだ)」を肌で感じていた。
「育成年代でバイエルンと対戦していた時から、バイエルンのDNAを感じることができた。選手たちは自信を持ってピッチに向かっていた。すべての試合でバイエルンに負けたわけではないが、育成年代の選手たちにも『ミア・ザン・ミア』が浸透していることに気づいていた」と7月11日の『ビルト日曜版』のロングインタビューで答えている。
『バイエルンには、UEFAチャンピオンズリーグで優勝できる前提条件がすべてそろっている』と話すナーゲルスマン。初日のトレーニングから、すでに育成機関から這い上がってきた自分自身の色を出しているようだ。
プレシーズン序盤から戦術トレーニング
番記者が敷地内に毎日張り付いている『ビルト』は、7月11日の記事の中で、ナーゲルスマンのトレーニングを「カオス・トレーニング」と呼んでいる。そして、このようなトレーニングはトップチームでは行われていなかったことを示唆している。……
Profile
鈴木 達朗
宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。