現役引退後はサッカービジネスの世界に転じ、現在はバジャドリーの会長を務めるロナウド。現役時代からビジネス的な視点を備えていたようだが、一方で世界最高のストライカーだった現役時代の経験則から、ゴール欠乏症に悩むFWに的確なアドバイスも送っている。
2018-19シーズンからバジャドリーの会長を務めている元ブラジル代表のロナウド。1990年代後半から2000年代にかけて、ケガに苦しみながらも驚異的な決定力を発揮し、世界最高のストライカーとしてトップを走り続けた名選手は、スペインで経営者として辣腕を振るっている。
ドイツでは、『DAZN』が制作した2019-20シーズンの会長としてのロナウドを追ったドキュメンタリーが放送されている。ペップ・グアルディオラの兄弟であるペレ・グアルディオラが制作に関わっていることもあり、フロントの仕事ぶりを追うと同時に、ペップ・グアルディオラやハビエル・サネッティ、ロベルト・カルロスら、同時代のチームメイトがインタビューに応じ、当時を振り返る内容だ。
バルサからインテルへの移籍の真相
引退後は代理人やスポーツ分野での投資家としてビジネスの世界に身を投じたロナウド。この決断は、本人や周囲の人間にとっては自然なものだったという。ロナウドは「指導者には興味が持てなかった。自分を指揮した監督たちとも話をして、監督の人生は難しいものだと分かっていた。365日にわたり、25人のプロ選手に対して責任を負うなんて、私だったら不安になってしまう」と話す。……
Profile
鈴木 達朗
宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。