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祭典があるなら予想するしかない!識者15名&ラボによるEURO大予想【ボリスタラボ企画】

2021.06.10

W杯のレベルを凌ぐとも言われるEUROが5年ぶりに帰ってくる! 国の誇りを懸けて戦い、ヨーロッパ最強の国を決める大会だ。今大会(EURO2020)はコロナウイルス禍の影響で1年延期されていたが、現地時間6月11日にいよいよ開幕する。EURO開幕に先立ちフットボリスタでは、15名の識者とフットボリスタ・ラボで、優勝予想アンケートを実施した。アンケートでは、欧州サッカーに通ずる識者ならではの独特の意見が多く見られた。存分に楽しんでいただきたい。

識者15名の優勝国予想は?

●識者優勝予想アンケート集計結果
※()内は得票数               

1位:フランス(5)
2位:ベルギー(2)
3位:イングランド(1)

3位:イタリア(1)
3位:ドイツ(1)
3位:スペイン(1)
3位:クロアチア(1)

3位:ポルトガル(1)
3位:ロシア(1)

3位:スイス(1)

小川由紀子
優勝予想:フランス

ベンゼマ加入のインパクトは大。エースストライカーの責任を負っていた以前とは違い、オフェンスの『狂言回し』的な役割ができ、チャンスがあれば自分でも決められ、そこにいるだけで相手にとって脅威になる彼がいることで、タレント揃いの攻撃陣の持ち味がより一層引き出せている。 どんな責任をも背負える肝が据わった絶対的リーダーがいなかったレ・ブルーに、実力だけでなくCL4冠と実績も申し分ないビッグブラザーが加わり、ムバッペやグリーズマン、経験の浅い若い選手たちもプレッシャーから解放されて伸び伸びプレーできている。 さらに強みは中盤。カンテとポグバの威力は言うまでもなく、テクニックと知性に富んだラビオが絶妙に効いている。見た目を裏切るタフガイな彼は、スタミナもあるBox to Boxプレーヤー。得点チャンスにつながる起点の“仕掛け”となる動きが実にうまい。 チーム全体の自信値がアップしたような印象があるのも、ベンゼマ加入の効果か。 18年のワールドカップ時よりも、タフなチームになっている。

西部謙司            
優勝予想:フランス            

EUROは「ほぼ素」だと思うので。

片野道郎                          
優勝予想:フランス

攻守ともに個のクオリティで違いを作り出せる顔ぶれが揃っており、監督も勝ち方を知っている。

山中忍                
優勝予想:フランス

自分の心に訊けば「イングランド!」となるが、頭で考えると決勝トーナメント早々に当たりそうな「18年W杯優勝国」が最有力。監督から主力まで実力も経験も確かなチームでは、得点源のエムバペが3年分進歩してもいる。

舩木渉                
優勝予想:フランス

ベンゼマも復帰し、各ポジションの充実した選手層は大会屈指だと感じています。隙があるとすれば内部分裂のリスクですが、ロシアワールドカップのチームがベースだとすれば過去の大会ほど大きな心配はなさそう。最大の難所であるグループステージを抜けられれば、ラウンド16の相手は他グループの3位になり、さらに勢いづくのではないかと思います。

木崎伸也                          
優勝予想:ベルギー

黄金世代に加えティーレマンスの成長が大。ミドルシュートが◎。

結城康平                          
優勝予想:ベルギー

本命はフランスだが、追い込まれたときのマルティネスの実力は侮れない。デ・ブルイネの負傷はチームにとって打撃だが、結果的にマンチェスター・シティでも攻守のバランスを崩してしまう「諸刃の剣」的な側面もあった。レスターで飛躍的な成長を果たした、ティーレマンスの大会になると予想。

川端暁彦                          
優勝予想:イングランド

どう考えてもトレーニングしやすく、消耗も避けられる開催地権を持つ国が有利。つまりイングランド!……と見せかけて、準々決勝で消えるパターンなような気もするけど、国際大会での勝利経験を積み上げてきた若い世代の地力、団結力は信じられる。つまり強い気持ちで。

神尾光臣
優勝予想:イタリア

チームの完成度の高さから来る期待感、いや期待そのもの。つまり願望。

中田徹                
優勝予想:ドイツ

スペインに大敗、マケドニアに金星献上と不安の残る状況だが、頼りないときのドイツの底力は侮れない。ミュラーの復帰がレーブのレームダックを救うかもしれない。

木村浩嗣                          
優勝予想:スペイン

ネタで。僕が推さないと誰も推さないでしょう(本音はベスト4なら上出来)。

長束恭行
優勝予想:クロアチア

グループリーグ第1戦で優勝候補イングランドに負けることで第2戦から大胆な若手抜擢。グループDは2位通過のほうがラウンド16で楽な対戦相手を迎えられ、そこを越えれば勢いのままロシアW杯のリベンジを。

らいかーると       
優勝予想:ポルトガル

クリスティアーノ・ロナウド以外でも選手の質の向上が見られ、フェルナンド・サントスはトーナメントに強いところ。

篠崎直也                          
優勝予想:ロシア

予想というよりは願望ですが。ロシアW杯の勢いを再現できれば可能性はゼロではない。

tkq                      
優勝予想:スイス

開幕は20210611で数字を足すと13、つまりFIFAランク13位のスイスが優勝!

フットボリスタ・ラボ内では票が割れる

●フットボリスタ・ラボ優勝予想アンケート集計結果
※()内は得票数

1位:フランス(11)
2位:イングランド(9)
3位:ベルギー(7)
4位:イタリア(5)
4位:ポルトガル(5)
4位:ドイツ(5)
7位:スペイン(3)
8位:ウクライナ(2)
9位:オランダ(1)

フランス

・鬼に金棒、ベンゼマ復帰の王者フランスに一票!ただ采配に迷いがあれば死のグループの餌食になりかねない?

イングランド

・組み合わせと会場の有利さでイングランドと予想しました。

・一発勝負のコンペティションであれば、若手が自信をつけてきているイングランドにも十分勝機がありそうだなーと!

ポルトガル

・ポルトガルはアタッカーの陣容が目を引きますが、何気に後ろも(特にCB)良いのがいいですよね。

ウクライナ

・総合的なチーム力は圧倒的にベルギーかなと思うし、いいチームになってきてるけど、戦術キーマンのデ・ブルイネが開幕ギリギリになりそうなこともあり、個人より組織としてサッカーのクオリティがクラブチームレベルのウクライナにしました。普通にフランスも強いと思うけど、ガチすぎてもつまらないので。

本命はフランス、対抗はイングランド&ベルギー

 識者アンケートではフランスが圧倒的だったが、フットボリスタ・ラボ(ボリスタラボ)の方では票が割れ、フランスだけでなくイングランド、ベルギーを推す声も多かった。

 フランスは「EUROは『ほぼ素』だと思うので」(西部氏)、「攻守ともに個のクオリティで違いを作り出せる顔ぶれが揃っており、監督も勝ち方を知っている」(片野氏)と選手層とクオリティで他を圧倒するという予想。「CL4冠と実績も申し分ないビッグブラザー」(小川氏)、「鬼に金棒、ベンゼマ復帰の王者フランスに一票」(ラボメンバー)など、ベンゼマの代表復帰で懸念のリーダー不在も解消されるという見解だ(逆に内紛の危険もあるかもしれないが……)。識者とラボメンバーともに最多投票。文字通り、優勝候補の大本命と言っていいだろう。

 イングランドは「国際大会での勝利経験を積み上げてきた若い世代の地力、団結力は信じられる」(川端氏)というU-17W杯とU-20W杯を制圧した若い世代の勢い、そして「組み合わせと会場の有利さでイングランドと予想しました」(ラボメン)という運も味方につけているのではないか、というのが主な理由。若きタレント軍団はボリスタラボでも9票と、フランスに迫る人気だ。

 ベルギーは木崎氏、結城氏ともにティーレマンスの名前を挙げ、「ティーレマンスの大会になる」(結城)とレスターを支えるMFの才能を高く評価。CL決勝で負傷したデ・ブルイネの穴をカバーできるかがポイントになりそうだ。

 ボリスタラボでは5票を集めたイタリアだが、識者枠では1票のみ(ちなみに、イタリア在住ジャーナリストの片野氏はフランスに投票)。「チームの完成度の高さから来る期待感」と神尾氏が言うように、マンチーニのチームは好調だが、イタリアライター陣も優勝は信じ切れていないようだ。

 前回王者のポルトガルは、らいかーると氏がフェルナンド・サントス監督のトーナメント巧者ぶりを評価。「ポルトガルはアタッカーの陣容が目を引きますが、何気に後ろも(特にCB)良いのがいいですよね」というラボメンの声もあるように、タレントは充実している。侮れない存在だ。

 レーブ退任が決まったドイツは中田氏のみ、スペインも木村氏のみ。ラボメンからの投票も伸び悩んでおり、元W杯王者たちの評価は急落している。逆に強豪国はこういう時こそ怖いが、果たして……。

 ダークホースでは、長束氏がW杯準優勝なのになぜか注目度が上がらないクロアチア、tkq氏がスイスを挙げた。ちなみに、日本時間のEURO開幕は20210612で足すと14、FIFAランク14位はクロアチアである(まったく関係はないが)。その他、ラボでは「サッカーのクオリティがクラブチームレベル」というウクライナを推す声もあった。ぜひ注目してほしい。

 優勝チーム予想は外れることがほとんど。むしろ大事なのは、自分で予想してみることで大会へのワクワク感を増すことではないだろうか。今回の予想の答えが出るのは、7月11日。これから約1カ月、寝不足の日々が始まる。

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フットボリスタ主催のコミュニティ。目的は2つ。1つは編集部、プロの書き手、読者が垣根なく議論できる「サロン空間を作ること」、もう1つはそこで生まれた知見で「新しい発想のコンテンツを作ること」。日常的な意見交換はもちろん、ゲストを招いてのラボメン限定リアルイベント開催などを通して海外と日本、ネット空間と現場、サッカー村と他分野の専門家――断絶している2つを繋ぐ架け橋を目指しています。

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中本 宏樹

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