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CL決勝はエドゥアール・メンディに注目!驚異的な反応速度の秘密は「跳ねる」準備動作にあり

2021.05.29

現地時間5月29日にフィナーレを迎えるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)。2年ぶりのイングランド勢対決となる決勝で、3冠を狙うマンチェスター・シティの強力な攻撃陣に立ちはだかるのは、昨秋レンヌから加入したチェルシーの守護神エドゥアール・メンディ。自身初の欧州最高峰の舞台で今季11試合3失点と早くも鉄壁を築き上げているセネガル代表GKの秘密を、GK分析の専門家レネ・ノリッチ氏が解き明かす。

 2020-21シーズンを終えたプレミアリーグで、ゴールデングローブ賞こそマンチェスター・シティのGKエデルソン・モラエスに譲ったが、チェルシーのゴールを守るエドゥアール・メンディは彼に次ぐ16試合のクリーンシートを達成。一方CLではメンディがエデルソンを1試合上回る8試合を完封しており、両クラブが相まみえる決勝は今季しのぎを削ってきたGK同士の対決も見どころの1つとなる。

高い反応速度を生む「跳ねる」動作

 チェルシーは今季、スペイン代表GKのケパ・アリサバラガが在籍3年目を迎えながらも十分な成績を残せずにいたため、序盤戦で新守護神の獲得を決断。そこでレンヌで活躍中のメンディを勧めたのがチェルシーの伝説的GKで同クラブのアドバイザーを務めるペトル・チェフと、その師にあたる元GKコーチのクリストフ・ロリションである。

 現在チェルシーのGKスカウトとして活躍しているロリションは、かつての教え子のような高い身体能力と長い腕を兼備するGKを好んでおり、メンディを獲得リストに入れたのも彼だと言われている。先んじて2018年からスカウティングを行っていた甲斐もあってか、このセネガル代表GKは加入直後から期待通り正GKの座をつかみ、197cmの長身からダイナミックなセーブを連発している。

 チェルシーに加入したばかりのメンディが、さっそく1試合通じて際立ったパフォーマンスを見せたのは、デビュー4試合目のプレミアリーグ第6節、アウェイでのマンチェスター・ユナイテッド戦だ。

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UEFAチャンピオンズリーグエドゥアール・メンディチェルシーマンチェスター・シティ

Profile

レネ ノリッチ

1994年生まれ、東京都出身。少年団チームにGKコーチがいたことがきっかけでゴールキーパーをプレーし始める。ゴールキックを敵陣ペナルティエリア内まで蹴り込んでいた経験あり(小6)。2018年頃からゴールキーパーのプレー分析記事をブログやnoteに載せ始める。スタジアムでサッカー観戦する場合、GKのウォーミングアップから見始める。好きな選手はヤン・ゾマー、ニック・ポープ。

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