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リーガ制覇の決め手。なぜアトレティコは3バックを選んだのか?

2021.05.25

追いすがるレアル・マドリー、バルセロナの追撃を振り切り、2013-14以来となるリーグタイトルを掲げたアトレティコ・マドリー。決め手となったのが、持ち味である堅守はそのままに昨季比で16点増となった得点力の向上だった。積年の課題だった決定力不足改善の一因となった、3バックシステムのメカニズムを紐解く。

 7シーズンぶりにラ・リーガ優勝を果たしたアトレティコ・マドリー。ラスト2試合はどちらも劇的な逆転勝利で、ファンを大いに沸かせてみせた。

 前回の優勝時から変わらずチームを指揮してきたディエゴ・シメオネのサッカーを一言で表せば「堅守」である。選手個々人のハードワークとソリッドな守備組織をベースとした彼らは、7シーズン連続でリーグ戦(38試合)失点数を30点未満に抑えるという驚異的な数字を叩き出している。

 そんな堅守の陰で長年ネックとなってきたのが、安定した得点力だ。失点は少ないが得点を奪えず、スコアレスドローやロースコアでの敗戦がかさんでしまうのがリーグ戦におけるアトレティコの明らかな課題となっていた。

 しかし、今季は序盤からその課題に対して明らかな修正が見られた。ルイス・スアレスという偉大なストライカーの獲得だけが理由ではない。攻撃時におけるシステムの変更だ。長年採用してきた[4-4-2]をベースに、[3-1-5-1]、[3-2-5]といった形に変化するのが今季のアトレティコの大きな特徴となった。ではなぜアトレティコは3バックに舵を切ったのか。ここからはその理由と機能性について紐解いていく。

[4-4-2]で生じていた攻撃時の配置問題

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アトレティコ・マドリーリーガエスパニョーラ戦術

Profile

とんとん

1993年生まれ、長野県在住。愛するクラブはボルシアMG。当時の監督ルシアン・ファブレのサッカーに魅了され戦術の奥深さの虜に。以降は海外の戦術文献を読み漁り知見を広げ、Twitter( @sabaku1132 )でアウトプット。最近開設した戦術分析ブログ~鳥の眼~では、ブンデスリーガや戦術的に強い特徴を持つチームを中心にマッチレビューや組織分析を行う、戦術分析ブロガー。

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