ついに決勝ラウンドの戦いがスタートしたUEFAチャンピオンズリーグ。中でも戦術的な意味で注目の一戦となったRBライプツィヒ対リバプールの激突について、両チームがどのような狙いを持ってプレーし、それがどう変化していったのか。両指揮官の駆け引きを掘り下げる。
リバプールは普段着をアレンジすることはあれど、自分たちのスタイルを大きく変えることはない。つまり、“最初のターン”はRBライプツィヒにあった。彼らの振る舞いによって、リバプールがどのように試合を展開していくかを決めていく流れになることは必然だった。
グループステージではパリ・サンジェルマンを相手にしても正面衝突を画策したRBライプツィヒ。相手をリバプールにしてもその姿勢に変わりはなかったどころか、さらに正面衝突の雰囲気を感じさせるものだった。
3トップ対3バック
RBライプツィヒのボールを保持する仕組みは[3-1-4-2]をベースにしている。そして、ボール非保持では[4-4-2]に可変することを日常としている。しかし、この試合では3バックのまま試合を進めていった。リバプールの世界最強の3トップを相手にマンマークで対抗。はっきり言って、正気の沙汰ではない。しかし、この方法論はグアルディオラ時代のバイエルンを倒すためにブンデスリーガでは定跡になったものであった。……
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らいかーると
昭和生まれ平成育ちの浦和出身。サッカー戦術分析ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』の主宰で、そのユニークな語り口から指導者にもかかわらず『footballista』や『フットボール批評』など様々な媒体で記事を寄稿するようになった人気ブロガー。書くことは非常に勉強になるので、「他の監督やコーチも参加してくれないかな」と心のどこかで願っている。好きなバンドは、マンチェスター出身のNew Order。 著書に『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』(小学館)。