当代屈指の戦術家として一目置かれる存在となって久しいユリアン・ナーゲルスマン。進化が止まらない現代サッカーの中で日々、自らの理論をアップデートし続けている若き知将が、また1つ新たなアイディアを披露した。それが「7対3の法則」だ。いったいどんなアイディアなのか、彼自身の言葉から解読する。
ユリアン・ナーゲルスマン率いるチームと言えば、打ち合いを厭わないスペクタクルなイメージが強いだろう。時に前のめりになり過ぎるが、若さゆえの危うさも魅力の一つだ。
しかし最近、そのスタイルに変化が生まれつつある。
RBライプツィヒの昨季と今季の「第21節時点」の成績を見ると、順位こそ2位で同じだが得点数・失点数がまったく違うことがわかる。
昨季は「53得点/25失点」と圧倒的な得点力を誇る攻撃型だったのが、今季は「37得点/18失点」という防御型になっているのだ。
現在、ブンデスリーガにおいて最小失点。クリーンシートは10回で最多。得点力は落ちているものの、失点を防いで勝ち切るサッカーでリーグ・CL・DFBポカールのすべてでタイトルのチャンスを残している。
「個人主義者」の顔ぶれは?
いったい何が起きているのか? ナーゲルスマンは今年2月、会見でこう明かした。……
Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
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2024.08.01