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多国籍でモダンで攻撃的――今季、フィテッセの試合が面白い

2020.12.18

今季のオランダリーグで、フィテッセの健闘が光っている。ドイツ人指揮官トーマス・レッチュの下、多国籍の選手にアカデミー出身者を融合させ、モダンな攻撃的サッカーを展開している。

 オランダの中堅クラブ、フィテッセが今季の序盤戦の驚きになっている。第12節を終えたところで4位。勝ち点26という数字は3位フェイエノールトと並ぶもので、首位アヤックスとの差はわずか4だ。

縦に速い攻撃サッカー

 コロナ禍によるリーグ中断時である4月、フィテッセはテクニカル・ダイレクターにドイツ人のヨハネス・シュポルス(38歳)を招いた。2006年、ホッフェンハイムの黎明期にビデオアナリスト見習いとしてキャリアをスタートさせたシュポルスは、野心あふれるRBライプツィヒ、2部に落ちた名門ハンブルガーSVを経て、オランダでのチャレンジを決意した。

 今季から指揮を執るのは、RBザルツブルクでアシスタントコーチを務めたこともある52歳のドイツ人指導者、トーマス・レッチュだ。

 ラングニックの下で働いた経験を持つシュポルスとレッチュは、コンビを組む上で理想的だ。縦に速い攻撃的なサッカーを目指し、守備でも積極性を失わず、奪ったら即座に果敢に攻める姿勢を示す――。そんなサッカーをフィテッセに植え付けようとした。……

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PSVアヤックスフィテッセ

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中田 徹

メキシコW杯のブラジル対フランスを超える試合を見たい、ボンボネーラの興奮を超える現場へ行きたい……。その気持ちが観戦、取材のモチベーション。どんな試合でも楽しそうにサッカーを見るオランダ人の姿に啓発され、中小クラブの取材にも力を注いでいる。

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