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ロティーナ監督は「守備的」なのか? 元教え子・田村直也が紐解く恩師の美学

2020.12.16

2020シーズン限りでの退任が発表されたセレッソ大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督。一部メディアでは「守備的」という評価を理由に同クラブが決断を下したと報じられているが、その論調に異を唱える元選手がいる。東京ヴェルディ時代にロティーナ監督の指導を受けた田村直也氏だ。元教え子の目に、恩師の哲学はどう映っているのだろうか?

 私の中でロティーナ監督の指導法は、「スペインでの指導を日本のサッカー、日本人の文化や性格向けにアレンジした指導」という表現が最もしっくりくる。自分の常識をすべて押し付けるのではなく、日本人の文化や生活習慣を受け入れ、リスペクトを持ちながら最も効果的な策を打つ。

 そんなロティーナ監督の指導を受けた2年という期間は、私にとっての財産であり、ともに同じ目標のために戦った知恵と友情は、その後の私のキャリアに大きな影響を与えた。端的に言うと、彼は「個」に特徴がある海外では「和」を意識させ、日本では「和」の中から生まれてくる「個」の特徴をとても大切にする。同時に、組織の中で輝く個の能力を見逃さない監督だ。

 そしてロティーナ監督は「博打」より「確率」を選ぶリアリストでもある。確率の高い選択肢を選ぶことを好み、質にこだわる。守備時では「一か八か」を最も嫌う。これらはすべて試合に勝つ確率を高めるためだ。

 玄人好みの戦術や交代策が冴え、大勝と大敗の少ない安定した戦いぶり。一見すると派手さのないロティーナ監督だが、彼の下でプレーした元選手として最初に伝えたいのは、実は攻撃が大好きであるということだ。

トレーニングで目にしたリアリストの素顔

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ミゲル・アンヘル・ロティーナ戦術

Profile

田村 直也

東京都多摩市出身。1984年11月20日生まれ。東京ヴェルディ下部組織、中央大学を経て、2007年ベガルタ仙台入団。2014年、東京ヴェルディへ移籍。「株式会社TMFC」を立ち上げ、スポーツ振興と地域貢献、震災復興に関わる活動を実施。2019年の現役引退後は、仙台市で解体・建設業を営む株式会社エルエスシーに入社。営業・広報として社業に勤しむ一方で、サッカー解説者としてTVや新聞、SNSなどで活躍。プロとしての豊かな経験と独自の戦術眼で、チームの垣根を越えてサッカーファンの支持を得ている。

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