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「高機動型アンカー」は、新たなる潮流となるのか?

2020.12.02

TACTICAL FRONTIER

サッカー戦術の最前線は近年急激なスピードで進化している。インターネットの発達で国境を越えた情報にアクセスできるようになり、指導者のキャリア形成や目指すサッカースタイルに明らかな変化が生まれた。国籍・プロアマ問わず最先端の理論が共有されるボーダーレス化の先に待つのは、どんな未来なのか? すでに世界各国で起こり始めている“戦術革命”にフォーカスし、複雑化した現代サッカーの新しい楽しみ方を提案したい。

 天才と呼ぶにふさわしい一撃必殺のスルーパスでアシストを量産し、ロナウドの相棒として一世を風靡したイバン・デ・ラ・ペーニャや、レアル・マドリーで圧倒的な視野とパスセンスを武器に中盤で華やかなプレーを連発したグティのように、数十年前のフットボールは中盤に芸術家肌のパサーをそろえていた。同時にトップ下にフィジカルやスピードが求められるようになったことで、旧来であればファンタジスタとして活躍したタイプの選手が中盤の底でレジスタとしての役割を任せられるようになる。そこに適合したのがカルロ・アンチェロッティの寵愛を受けたアンドレア・ピルロであり、バルセロナの中盤でゲーム構築を担ったペップ・グアルディオラだった。……

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アンカー戦術

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

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