すでに欧州到来果たした逸材も。ブラジルのU-21注目株
PEDRO
ペドロ
1997.6.20(21歳)185cm / 78kg
FW9|フルミネンセ
ブラジル
憧れはイブラ。欧州も注目する長身CF
2018年に入って大ブレイクした21歳のCF。リオ州選手権で13試合7ゴールを挙げ得点王を獲得すると、ブラジル全国選手権でも得点ランキングトップを快走。8月にはA代表初招集を受け、歓喜のあまり涙した。しかし8月末、クラブの試合で右膝を負傷。シーズン中の試合復帰は不可能となってしまった。プレースタイルが似ていることから、イブラヒモビッチのファンを公言。185cmの長身を生かしたペナルティエリアでの空中戦にはもちろん強いが、前で張って待つだけでなくボールを求めて動くスピードもある。少年時代のフットサル経験から、器用さも身につけた。ケガで交渉はストップしたが、その直前までドルトムントやボルドー、リヨン、セビージャ、ポルト、ミラン、ナポリなど数多くの国からオファーや打診を受けていた。今年の復帰、そして飛躍が待たれる逸材だ。
Lucas PAQUETÁ
ルーカス・パケタ
1997.8.27(21歳)180cm / 72kg
MF39|フラメンゴ→ミラン
ブラジル代表
この冬、満を持して欧州へ。華麗と闘志のハイブリッド
8歳で下部組織に入団してから、21歳の現在までフラメンゴ一筋の攻撃的MF。2016年のコパ・サンパウロ・ジュニオールで得点ランキング2位の活躍を見せ、チームの優勝に貢献するとともにプロ契約をつかんだ。ドリブル、FK、ラストパス、ミドルレンジのシュートなど華やかな特徴を持つ一方で、そのスタイルは闘志にあふれ、献身的なプレーをも惜しまない。昨年9月の親善試合でA代表初招集。クラブの優勝争いへの配慮からその後の招集は見送られているものの、チッチ監督は今年のコパ・アメリカのスタメン候補にもなれる逸材と期待している。バルセロナやパリSGの他、マンチェスター・シティ、リバプール、チェルシーなどプレミアリーグのビッグクラブもオファーや打診をしていたと報道される中、最終的にミランと契約。満を持して欧州の舞台に立つ。
PEDRINHO
ペドリーニョ
1998.4.13(20歳)170cm / 65kg
MF38|コリンチャンス
ブラジル
ファンのハートをガッチリ。魅せるMF
コリンチャンスの下部組織で育った、20歳のアタッカー。昨年のコパ・サンパウロ・ジュニオールで頭角を現し、プロチームに昇格。スピードに乗ったドリブルや1対1なら必ず抜けるテクニック、パスの精度、得点力など、その魅力あふれるプレーにより、あっという間にクラブのサポーターから愛される選手になった。90分間プレーするのがまだ難しいため、彼をスタメン起用することを求めるサポーターに対して監督が落ち着きを求めるほど。フィジカル面では今も成長中で、特徴を失わずに強化するべく細心の注意を払ったトレーニングにより、4kgの増量に成功した。バルセロナやアヤックスから打診が届いていると伝えられるが、大人しい性格の本人は「まずコリンチャンスで成功したい」と至って謙虚。現在、名古屋グランパスでプレーするジョーを尊敬している。
Photos: Getty Images
Profile
藤原 清美
2001年、リオデジャネイロに拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特にサッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のTV・執筆等で成果を発表している。W杯6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTube『Planeta Kiyomi』も運営中。