W杯で見てほしい! 推しクラブのイチオシ選手#4_リバプール編
いよいよ開幕が目前に迫るカタールW杯。4年に一度の祭典をどのように満喫するかは人それぞれだが、普段特定のクラブを応援している人にとって、所属選手たちの活躍は楽しみの1つであろう。そこで、自らの推しクラブを持つ方々にW杯で注目してほしい“イチオシ選手”をピックアップしてもらい、その魅力を綴ってもらう。
第4弾で紹介してくれるのは、社会から文化まで様々な角度から欧州サッカー事情に切り込むリバプールファンのYuki Ohto Puro氏。日本が誇るあの漫画・アニメ作品ともゆかりのあるフランス代表DFイブラヒマ・コナテに懸ける期待を綴ってもらった。
リバプールと公式パートナー契約を結んだクラウドストレージサービスを提供するWasabi Technologies社が、共同で動画コンテンツを配信している。今年5月に公開された質問企画では、フィルジル・ファン・ダイク、ロベルト・フィルミーノ、イブラヒマ・コナテの3人が「スキニージーンズは好き?」「ピザの上に乗ったパイナップルは?」「スカウスのアクセントはどう思う?」など、日常の他愛もない話題について好き嫌いを楽しそうに語っている。中には「GKはコナテのPKを止めなきゃダメ?」と、昨季のリーグカップ決勝チェルシー戦のPK戦で10人目のキッカーとしてスポットに立ったコナテが、ケパ・アリサバラガの手をかすめてゴールネットを揺らしたお世辞にも素晴らしいとは言えないキックをからかう場面もある。
冒頭のセクションで「アニメはどう?」と聞かれ、2人がぽかんとした顔をしている横でコナテが小躍りする。「アニメ?動物(Animal)のこと?」などと頓珍漢な勘違いをしているフィルミーノとは対照的に、心がぴょんぴょんしているのだろう、明らかに嬉しそうに笑顔を浮かべる。「カートゥーンのことだよ。イブ、説明して!Twitterでみんな見てるから」とファン・ダイクに話を振られ、「僕はまだ若いけど、人生のすべてさ。たくさんMangaを持っているけど『進撃の巨人』と『ドラゴンボール』が一番好きだね」と、わざわざMangaと言い直して答える。日本の誇るオタクカルチャーを愛するコナテの本領発揮だ。
リバプール加入時には自身のTwitterアカウント上で「進撃の巨人」の1シーン、エレン・イェーガーとライナー・ブラウンが再会するシーンのアニメーションを投稿し、リバプールが勝利した試合後にはドラゴンボールやNARUTO、ワンピースなど様々な日本のアニメGIFで喜びを分かち合う。加入からわずか1年強ではあるが、そのツイートを見ることがすでにリバプールファンの日常的なルーティンに定着した。
ラングニックとクロップに見出された万能型CB
コナテのプレースタイルを一言で表すなら「万能型」ということになるのだろう。現代フットボールでCBに期待される役割──例えば非ポゼッション時には知性的な守備と積極的なプレッシングで危険を未然に刈り取り、並居るアタッカー達を速度・強度両面で凌駕する。ポゼッション時にはクリエイティブなパスを供給し、時に自らもスペースへと進撃し攻撃に加わる。ゴール前では高さで競り負けず、セットプレーからの貴重な得点で膠着した戦況を一変させる。といったような──を十二分にこなすことができる能力を兼ね備えている。名手ファン・ダイクが君臨する試合では右サイドからサポートし、ジョエル・マティプやジョー・ゴメスと組む場合には左サイドで積極的に試合に関わる。右に比べれば左は若干見劣りするが、それでも比較対象がファン・ダイクという世界屈指の使い手であれば仕方ないところだろう。これでまだ23歳と発展途上にあることを考えると、末恐ろしいものがある。……
Profile
Yuki Ohto Puro
サミ・ヒーピアさんを偏愛する一人のフットボールラバー。好きなものは他人の財布で食べる焼肉。週末は主にマージーサイドの赤い方を応援しているが、時折日立台にも出没する。将来の夢はNHK「映像の世紀」シリーズへの出演。