カタールW杯ではデンマーク、チュニジア、UAEまたはオーストラリア対ペルーのプレーオフ勝者とグループDで対戦するフランス代表。2連覇を目指すディディエ・デシャン監督のチームを下支えするのが、スター軍団パリ・サンジェルマン、その国内「最優良」と評価されるアカデミーの出身者だという。ただし注目を浴びているのは、ワールドクラスひしめく同ファーストチームでのキャリアを諦め、飛び出した他クラブで母国を背負うまでに成長を遂げた選手たちだ。
3月下旬のインターナショナルマッチウィークでフランス代表に選出された23人のうち、約3分の1の7人が、パリ・サンジェルマン(PSG)のアカデミー出身だった。
マイク・メニャン(ミラン)、アルフォンス・アレオラ(ウェストハム)、プレスネル・キンペンベ(PSG)、アドリアン・ラビオ(ユベントス)、キングスレイ・コマン(バイエルン)、ムサ・ディアビ(レバークーゼン)、クリストファー・エンクンク(RBライプツィヒ)。
南アフリカ戦で代表初ゴールを記録した、4月14日で23歳になるMFマテオ・ゲンドゥージ(マルセイユ)も、15歳でロリアンに移籍するまではPSGのアカデミーで育成を受けていた。
ラビオの経歴は少し変わっていて、彼はパリの出身だが、ローカルクラブでプレーを始めた後、クレールフォンテーヌ(フランス国立サッカー養成所)のセレクション合宿でマンチェスター・シティのスカウトマンにみそめられ、13歳で渡英。しかしその後、入団時に話し合った内容をクラブ側がリスペクトしなかったため、6カ月で切り上げてフランスに帰国したと、本人がインタビューで語っている。母国に戻ってからは、南西部の都市ポーのクラブに1年間在籍した後、国立養成所の地方支部にセレクトされ、そこで13歳から15歳までの前育成、通称「プレフォルマシオン」を完了してPSGのアカデミーに入団した。
なぜ次々と才能を輩出できるのか
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小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。