フランス・リーグ2(2部)の新天地で、開幕から全13試合(先発10試合)に出場。第5〜8節に4戦連続弾で計5ゴールを記録するなど、現在8勝4分1敗・30得点11失点で首位を快走するトゥールーズの原動力となっているのが、今年7月に横浜F・マリノスから加入したオナイウ阿道だ。敵地でパリFCと対戦した10月23日の第13節(2-2)、「常に自分に矢印を向けて」躍動する25歳のストライカーを現地で小川由紀子さんが取材した。
デビュー5戦目の初得点から4戦5発
今夏、リーグ2のトゥールーズに入団したオナイウ阿道が、新天地で奮闘している。
開幕戦でデビューして以来、これまで全13試合に出場し、リーグ4位の5ゴールをマーク。今季で2年目のイングランド人FWリース・ヒーリーがリーグ最多の8ゴールと、得点ランキングTOP10に唯一2人を送り込むトゥールーズは、現在ダントツの30得点で首位を走っている。
10月23日に行われた第13節のパリFC戦は、前半に2点を奪われて2-0で折り返したものの、後半に2点を挙げて2-2のドローで終えた。負けていたら2位のソショーに勝ち点で並ばれていたから、アウェイで貴重な勝ち点1ゲットだ。
この試合、オナイウはベンチスタートで、1点を返して反撃中の67分から投入された。前節は日本代表遠征から戻ったばかりだったため途中出場となったが、その流れを引き継いだ形だ。
ゴール至近距離まで詰めてシュートを狙ったり、少し下がってボールを取りに行ってはチャンスメイクに奔走。ゴールはなかったものの、チーム得点ランク2位のアタッカーがゴールに向かって動けば、相手DF2人が引っ張られる。前線における相手への負荷は、オナイウ投入で確実に増していた。
初の海外挑戦で、デビュー戦で後半から出場した以外は第11節まで全試合で先発起用され、5戦目で初ゴール。そこから第8節まで4試合連続5得点と、目覚ましいスタートを切ったと言えるだろう。
一昨季の降格後、選手も監督も経営陣も一新
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Profile
小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。