セリエAで首位に立ったインテルを力強く牽引するFWロメル・ルカク。その好調の秘訣は「しらたき」?
イタリアで「しらたき」が注目
3月10日、ルカクはクラブ公式HPのポッドキャストで自身の食事の習慣について明かし「ダイエットとして昼にはサラダ。それから鶏の胸肉をたくさん食べ、また『しらたきのパスタ』を食べている」と語った。
インタビューの中でルカクは「インテルに来てから自分の体の分析をたくさん行った。そこからいろいろなことが変わった」と発言した。
マンチェスター・ユナイテッド時代はジャンクフードも食べ、体重も100kgを超えていたが、移籍後は食生活を変えた。その1つとして彼はしらたき食を挙げ「僕がとても好きなもの。ご存知の通りカロリーも低いし、消化が早いからね」と紹介した。
こんにゃくはヨーロッパでも健康食としてにわかに注目を集めており、イタリアではフェットチーネやベルミチェッリといった細麺のパスタ状に加工されたものが「しらたき」として出回っている。通常の小麦で作られたパスタは100gあたり約350キロカロリーがあるとされているが、これがしらたきだと約10~20キロカロリーで済むため、パスタの代用食として推奨する栄養士も増えているのだという。
一方、炭水化物の摂取も別途行っているが「サツマイモや黒米が好きで、試合後はニョッキも食べるがパスタはあまり食べない」という。ともかく食事を含めてフィジカルの管理を変えたため、体のキレは劇的に改善。「国ごとに栄養の摂り方は違うものだけど、フィジカルといいメンタルといい、イタリアは僕を別のレベルに引き上げてくれた」と語った。
指揮官の厳しい食事制限
インテルのアントニオ・コンテ監督は、選手に厳しい食事制限を課す人物として知られている。ユベントスよりも前、シエナやアタランタを指揮していた時代から、パスタやパンにピッツァやお菓子など、炭水化物でできたものの摂取をとにかく嫌ってきた。
インテルでも「選手たちの栄養管理をさせていただきたい」と申し出て、栄養士に管理させているという。ロックダウン中も然りで、ダニーロ・ダンブロージオは「スタッフやマネージャーなどを通して毎日連絡をしてきて、プログラム通りに進めているか、何を食べているかを逐一チェックしてきた」と語った。
体を絞り、現在のような活躍をするに至ったルカク。少年たちはどう節制するべきか、との問いには「正しい栄養摂取をすること。そして健康でいるためにはどうしたらいいかを調べるなり人に尋ねるなりすることだ」と答えていた。
Photo: Getty Images
Profile
神尾 光臣
1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。